カテゴリー「●『LOVE』2014記録」の記事

『LOVE』My総括・終〜愛の伝道師

ここまで長々と今回の『LOVE』についての総括をしてきました。
 
『LOVE』全てのことを書くと次に中々進めないので、
 
自分の事を中心に総括させていただきました。
 
本来、舞台とは上演されていることが全てで、
 
こうして総括し、事細かく説明のように書く事は、
 
舞台上で自分が表現出来なかったフォローをしているようで情けなくないか?恥ずかしくないか?とも考えましたが、
 
こうして文字に残す事でこの想いをまた読み返すことで呼び起こせればと思い書かせていただきました。
 
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
 
今回の課題「則夫を一人の人間として演じる」ということに対して、
 
満足かといえば分かりませんが、
 
ただ初演より則夫や広子の境遇の人たち、
 
虐待や不遇のもとにこの世を去った魂の代弁が出来たという点においては、
 
役者としての仕事ができたと思っています。
 
今回『LOVE』に参加して改めて思った「役者という仕事の意味」。
 
それは「世の中にメッセージを伝えること」。
 
たとえば小説家が文字に想いを込めるように、
 
ミュージシャンが曲や歌詞に魂を吹き込むように、
 
役者は自らの身体を通し、世の中にメッセージを伝える事が使命だということを改めて感じました。
 
誰かの傷を癒す為に、
 
普段言えない想いを代弁したり、
 
もうこれ以上同じような不幸が繰り返されないように、
 
観客のココロの中に必ずある「愛」に触れ呼び起こす為に、
 
役者は存在するのだという事、
 
役者だけでなく、
 
演出家も脚本家も音楽家もスタッフも演劇に関わる人たちがそういった志をもって演劇を創る事が出来たなら、
 
世界を覆ている不安や恐怖を無傷で解消できるのではないだろうかと、
 
僕は今、真面目に考えています。
 
『LOVE』の期間中に「愛」と相反するルールが日本で決まり、
 
僕は本当に未来に不安を感じています。
 
冒頭で上條氏が言っていました。
 
「我々の無責任を息子や孫の世代に押し付けるのはやめませんか?」
 
その通りです。
 
もちろん僕も人を殺したくないし、殺されたくない。
 
だから僕は役者であると同時に「愛の伝道師」でありたいと本気で思います。
 
だから・・・
 
みんなでまずは自分の手の届く範囲で、「愛」を伝えてみませんか?
 
僕らの一歩で、未来が大きく変わるかもしれません。
 
信じてみましょう。
 
僕の『LOVE』My総括はこれで終わりです。
 
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
 
これからも市村啓二を三ツ星キッチンを、
 
『LOVE』メンバー一同の応援よろしくお願い致します。
 
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2014・7・9
三ツ星キッチン・市村啓二

『LOVE』My総括・4〜トライアングル

則夫を演じるにあたり義姉・広子の存在は欠かせません。
 
則夫にとって広子は身体の半分であり、
 
この世界で唯一裏切る事のない信じられる存在。
 
血は繋がっていないが、親に捨てられ同じ施設で育った、
 
血よりも強い絆で繋がったふたり。
 
今回、広子を演じたのは「村井麻友美さん」、
 
昨年僕が主宰する劇団パートタイマーズの『サンダーボルト55』に出演してくれたとってもキュートな女優さんです。
 
彼女もご両親やたくさんの人の愛をいっぱい受けて育ってきて、
 
今回の広子は彼女にとって大きな挑戦だったようです。
 
細かい設定をふたりで決めたりしなかったけど、
 
稽古ごとに皮を剥ぐように変化していきました。
 
そして広子に愛を教え、則夫に殺されてしまう相手「健」を演じたの初演に続き伊藤俊彦さん。
 
『LOVE』初演で広子を演じた青島凛さんと結婚、
 
そして今回の『LOVE』で父となった愛の後光が差したようなトシさん。
 
トシさんの芝居も則夫と対峙する場面はまるでキリストのような慈悲に溢れていました。
 
愛を信じない則夫、
 
愛を説く健、
 
愛を信じ始めた広子。
 
打ち合わせなく、互いの変化による相手への影響は毎回刺激的でした。
 
大阪公演が終わり、着替える前に麻友美ちゃんに、
 
「則夫と広子で写真を撮ろう」とお願いして一枚撮りました。
 
その写真を見て僕は涙が出ました。
 
「愛を知らない」という事は僕はやはり不幸な事だと思います。
 
そんな環境で育ち、あまりにも悲しい別れをした則夫と広子。
 
でも環境が違っていれば、愛の元に育っていれば、
 
ふたりはこうして笑顔で居られる事ができたのではないか・・・と。
 
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今日は一気に2〜4まで書きました。
 
明日で最終回。
 
市村啓二の『LOVE』を締めくくります。
 
啓二

『LOVE』My総括・3〜辛さの意味

僕と共に闘ってくれた本とはこちらです。

 

黒川祥子著『誕生日を知らない女の子』

 

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著者が「虐待」を受けて育った子供達のその後を追うノンフィクション作品です。
 
冒頭、ある「里親が里子を殺害してしまった事件」からはじまります。
 
そして
 
「マスコミは虐待の場合、加害者の親の過去や近所の評判ばかりをとりあげるが虐待をうけた子供にはスポットをあてない」
 
と書いていました。
 
確かにそうだと思いました。
 
そして読み進むつれ、
 
そこに描かれている話や行為は僕のこれまでの人生には全くといってなかった世界でした。
 
それはあまりに苦しく、想像するだけで吐き気や涙がこみ上げるような現実でした。
 
辛い・・・痛い・・・苦しい。
 
愛して・・愛して!・・・愛して!!
 
本から僕にそう叫び声が聞こえて来るようでした。
 
一気に読み終える事が出来ず、少しずつ身体に宿しながら読んでいました。
 
そうして今回の「則夫」という一人の人間の過去と人格が形成されていきました。
 
そして本番へ。
 
初演もご覧になった方は初演ほど激しく感情を出す則夫ではなかったと感じられたと思います。
 
でも逆に「則夫の奥行きや深さを感じた」とのご感想もいただきました。
 
それが僕に彼らの魂や思いが宿ってくれたんだと少し安心出来た瞬間でした。
 
則夫のメイクは他のメンバーより奇抜に見えると思います。
 
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ボロボロの服にボサボサの頭、そして全身についた白い塗料。
 
あの白い塗料は演出の上條氏によると、
 
「憎い相手を刺し殺したときの返り血と義姉に刺し殺されたときの自分の血飛沫が死んで白くなった」という演出でした。
 
今回僕はそれに加えて、服で見えない身体や背中にも白い塗料で傷をつけていました。
 
これは過去、則夫の身体に刻まれた「虐待の跡」として。
 
それを自分の身体にメイクとして施す瞬間は毎回鳥肌が立っていました。
 
初演の時「啓二には今回辛い役をやってもらう」の意味が3年経ち、
 
ようやく実感する事ができました。
 
続いて「則夫と広子、そして健」について書きます。
 
啓二

『LOVE』My総括・2〜孤独の引き出し

今回『LOVE』再演にあたり課題とした「ひとりの人間としての則夫」を演じる。

 
それにあたりまず「孤独とはなんだ。」から始めました。
 
大体新しい作品に臨む時自分のこれまでの人生を追体験します。
 
そのなかでリンクする過去があれば引っぱり出したりするんですが・・・
 
実は僕、引っ張りだすほどの強烈な体験や傷がないんですよね。
 
こういう引き出しを持ってる役者を僕はいつもうらやましく思ったりします。
 
僕の引き出しに詰まっているのは「愛や優しさ」がほとんどなんです。
 
これキレイ事じゃなく本当に。
 
じゃあそれがイコール魅力的な役者かといえば「ノー」だと思います。
 
だから僕はいつも「新しい役との出会いは新しい自分の発見でもある」と考えています。
 
この役をもらわなければ興味を持たなかった事、
 
この役のもらったからこそ取れた偏見、 それの連続です。
 
さて、自分の中に強烈な孤独がないならばそれはもう誰かの代弁をするしかないと、
 
人の体験談を聞いたり、ネットで色んな日記を読んだり・・・
 
そのひとつひとつが僕の中の「孤独」という引き出しに溜まっていくのですが、
 
代弁するには自分にもっと強烈に傷のように刻まれないと出来ません。
 
そんな時、ひとつの小説に出会いました。
 
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重松清著「疾走(上・下)」
 
どこにでもある家庭に育つ少年が主人公。
 
その少年の兄の犯罪がきっかけで家庭が崩壊し、
 
そこからは急坂を転がり落ちるように負の連鎖。
 
それでも誰かと繋がりたい、
 
しかし近づけば傷つけられ、信じては裏切られ、
 
最後は・・・究極に悲しい結末です。
 
「ただ誰かと繋がっていたかった」
 
僕の引き出しに大きな「孤独」が溜まったきっかけでした。
 
そして稽古へ突入。
 
稽古期間は怒濤の日々。
 
ただいつも「何か足りない、足りない」と感じていました。
 
そして稽古最終日が近づいたある日、
 
僕と共に闘ってくれることになる一冊の本と出会いました。
 
・・・このあとすぐ3へ続きます。
 
啓二

『LOVE』My総括・1〜新たな挑戦として

『LOVE』が終わりました。

 
昨夜、無事に大阪で盛大に。
 
カーテンコールの拍手の中、僕は晴れ晴れとしていました。
 
「一片の悔い無し」
 
そう思えました。
 
『LOVE』は2011年初演の作品です。
 
今回が3年ぶりの再演です。
 
最初は『LOVE』再演とか『LOVE』2014とか色んな呼び方をしていましたが、
 
今はもう『LOVE』と呼んでいます。
 
それくらい新しい作品として臨めました。 
 
東京〜大阪とたくさんの方々に観ていただけました。
 
東京の劇場は懐かしきホームグラウンド「赤坂レッドシアター」
 
大阪は昨年に引き続き「インディペンデントシアター2」
 
どちらも今の三ツ星キッチンが創る繊細な演出が隅々まで行き届くぴったりな劇場での公演でした。
 
ご観劇いただきた皆様、エールを送ってくださった皆様、
 
本当にありがとうございました。
 
今、こうしてブログを書きながらじわじわと『LOVE』が終わった事を実感しています。
 
これから『LOVE』の市村啓二My総括を幾つかに分けて書きたいと思っています。
 
どうぞ最後までお付き合いください。
 
三ツ星キッチン『LOVE』とは・・・
 
愛する人たちに最後のメッセージを伝えられずこの世を去った5人の浮遊する魂が、
 
高田安男の身体をかりてその相手に愛を伝えてゆく物語です。
 
僕はその作品の中で「カゲヤマ」(本名・谷口則夫)という役でした。
 
則夫は孤独と共に生きて来て、唯一の繋がりである義姉が愛した相手を殺して、
 
そして則夫自身もその義姉に殺されてしまいます。
 
物語のラスト、愛を伝えられた魂たちが昇天する前、則夫は愛の炎に焼かれ地獄へ落ちます。
 
則夫は特殊な役です。
 
物語の中でいわゆる「悪役」です。
 
役者にとって「悪役」とは演じていて気持ちのいいものです。
 
現実では許されない悪行も芝居の中では許されるから存分に「悪」でいられるから。
 
2011年、初めてこの則夫をもらう前、恒さんから、
 
「啓二には今回辛い役をやってもらう」
 
といわれました。
 
そして初演の幕開き。
 
僕は存分にやりました。
 
辛さは感じませんでした。
 
毎回満たされていました。
 
評価もいただきました。
 
そして初演は存分にやれたという満足感を残して終わりました。
 
でもそれから今回までの三年間、
 
他の芝居や映画を観ている時、ふと則夫がよぎる事が多々ありました。
 
何故だろう・・・。
 
これは則夫としてやり残した何かがあるのではないか?
 
そう思っていました。
 
そしてやって来た今回の『LOVE』再演。
 
僕は今一度、新たな目で「則夫」と向き合う事にしました。
 
「殺人犯の則夫」ではなく「ひとりの人間のしての則夫」と。
 
こうして2014年『LOVE』は始まりました。
 
My総括2へ続きます。
 
この後もどうぞお付き合いください。
 
啓二
 
 
 

帰路

『LOVE』大阪公演終わり、

『LOVE』2014の舞台の幕が降りました。

それを哀しむのか、、、はたまた浮遊する魂を迎えに来たのか?

バラシ(撤去)時間は豪雨。

三ツ星キッチン、バラシまでキャストがやる、やらせる?鬼劇団!?

いや!キャストの愛に支えられ公演が成立するのです。

トラックの積み込み終え、僕は明日機材の返却作業のため、スタッフのみなさんと夜行バスで帰京してます。

さらば大阪!また来ます!!必ず。

そしてまだ返却作業が残っていますので、緊張感保ちつつしばし車中で夢の中、、、。

無事に現場仕事終えたら、

ゆっくり今回の『LOVE』をMy総括します。

みなさん、ありがとうございました!

そして、

おやすみなさいzzz

啓二

命〜今、生きている、生かされてる

いよいよ本日、

大阪にて『LOVE』が終わります。

3年ぶりの『LOVE』。

3年前、芝居の楽しさを教えてくれたこの作品。

ただ、とにかく毎回全力だった3年前。

そして今回。

今回自分に自分が課せた使命。

カゲヤマという今回の役を通し、

市村啓二という一個人が、

どれだけ両親に家族に周りの人たちに愛され、助けられ育って来たのだと実感しつつ、

その真逆にある影に向き合い、

その影の中で生きることこそ今回の僕の命題です。

あと2回の『LOVE』、

大切にやります。

愛という光と影の中で生きて。

行ってきます。

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↑今回、僕と共に闘ってくれた一冊の本。

ひとつひとつ刻みながら読み、大千秋楽の今朝、

読み終えました。

啓二

『LOVE』大阪初日の朝。

おはようございます。

『LOVE』大阪公演の朝です。

昨日は早朝出発からの22時まで仕込みで夜はコンビニ飯、、

くぅ~う大阪ナイトが!

って、遊びに来たわけでないので、それはいいんですがね(笑)

本日『LOVE』大阪初日。

朝から場当たりで夜本番です。

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↑写真は「カゲヤマの部屋」

準備万端です。

鏡に映った後ろ姿は「おさむの部屋」作成中のSINGOさんです。

では、場当たり行って来ます!!

啓二

『LOVE』終わりに向けて。

早朝5時を少し過ぎたところです。

いざ大阪へ向けて出発しました。

毎度の事ながら移動手段はバス。

ドライバーは恒さんと僕。

みんなを乗せて大阪へ向かいます。

いよいよ『LOVE』を締めくくります。

念願叶った3年ぶりの『LOVE』。

次に再々演あるかはわからないし、

次もカゲヤマをやれるかもわかりません。

だから、

悔いなくやり切れるように、

愛を叫び、

愛の炎に抱かれてきます。

皆様、

どうか愛とPOWERをお送りください!

それではいってきます!!

そして大阪公演にお越しくださる皆様、

劇場で会いましょう!!

啓二

『LOVE』東京おえて。

『LOVE』東京公演、昨日無事に終えました。

連日たくさんのお客様に観ていただけて嬉しかったし、感謝の気持ちでいっぱいです。

大好きな赤坂レッドシアターに戻って来れたのも嬉しかった!

ただ、『LOVE』はまだ終わっていません。

大阪公演が待っています。

大阪で待っててくれる人がいます。

大阪へやってきてくれる人がいます。

だから、

東京が終わってもホッとしませんでした。

やっぱり昨日より次回は作品や役をより良くしたい、

その思いが強くなっています。

『LOVE』大阪公演、

さらに愛が深まるように、

がんばります。

写真も色々撮っているのですが、

それは終わって少しずつ載せます。

最後に、

次回出演作『しあわせのタネ』のチラシも『LOVE』折り込みにて公開されました。

近日中にこちらでもご案内し、

チケット受付も開始いたします。

よろしくお願い致します!!

改めまして、

『LOVE』東京公演ご覧いただいた皆様、ありがとうございました。

啓二